Chronic kidney disease
慢性腎臓病
慢性腎臓病
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病は慢性的に長期間ゆっくりと続く腎臓病のことを言い、日本人の成人の8人に1人はいると言われている病気(一般社団法人日本腎臓学会編(2012)CKD診療ガイド2012,東京医学社)で、糖尿病や高血圧に並んで新たな腎臓病ともいわれています。
何らかの原因で腎臓の機能が阻害されている状態が続き、初期に自覚症状がほとんどないため気づいたら病状が進行して、腎機能が回復しない状態にまでなる事もあります。
早期に治療を開始することで回復していきますが、腎臓は一定のレベルまで悪くなってしまうと自然に治ることは無いため、透析療法や腎臓移植が必要になることもあります。
慢性腎臓病の症状
慢性腎臓病は初期には目立った症状がありませんが、病状が進行すると以下の症状がみられます。
- 夜中にトイレに目が覚める(夜間尿)
- 立ちくらみや貧血が頻繁に起こる
- 疲労感や倦怠感、全身のだるさを感じる
- 手足がむくむ
- 息切れしやすくなる
上記のような症状がみられる場合、病状が進行している場合が多いと言われています。
慢性腎臓病の原因
慢性腎臓病は、糖尿病や高血圧、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、高尿酸血症などの病気が原因となって腎機能の低下を起こすことが多いです。
いわゆる生活習慣病と呼ばれる病気が主な原因ですが、食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などの生活習慣がきっかけとなってそれらの病気につながることが少なくありません。
日頃から適度な運動や栄養バランスの取れた食事を適量とるなど、健康な生活習慣の心掛けることが一番の予防法です。
上記の原因以外にも加齢や喫煙などが原因となることもあります。
慢性腎臓病の検査・診断
慢性腎臓病かどうかを調べるには、血液中のたんぱく質の濃度を示す血清クレアチニン値と腎臓の働きを示すeGFR(推算糸球体ろ過量)を測定して調べます。
血清クレアチニン値が高い場合やeGFR値が低い場合には腎機能の低下がみられ、腎臓の働きの状態から慢性腎臓病を診断します。
腎機能が健康な人の60%以下に低下している場合やたんぱく尿が出るなど腎臓に異常が見られる状態が3か月以上続いている場合に慢性腎臓病と診断されます。
慢性腎臓病はステージ1~5までの5段階で分かれており、数字が大きくなるほど病状が進行していることを意味します。
慢性腎臓病の治療
治療の基本は運動と食事ですが、病状が進行している場合には透析治療や薬物療法が必要になります。
運動はウォーキングやジョギングのように軽い運動を行ったり、食事ではタンパク質、塩分や脂肪のとりすぎは避けるようにしましょう。
アルコールの過度な接種は腎臓に負担をかけて、腎機能の低下につながるため適量を守るようにしましょう。
病気の進行状況によっては、野菜を摂りすぎると高カリウム血症という症状を起こすこともあるため、一人一人の状態に合わせて適切な食事の計画をすることが大切です。
当院では診察や治療計画の相談に合わせて、管理栄養士による栄養相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。