Sarcopenia
サルコペニア(筋肉減少症)
サルコペニア(筋肉減少症)
サルコペニア(筋肉減少症)とは
サルコペニア(筋肉減少症)とは、主に加齢に伴い筋肉が減少した状態を言います。
サルコペニアが進行すると運動量が低下して筋肉の維持がさらに難しくなったり、フレイル(虚弱)や寝たきり、要介護状態などの原因になったりします。さらに糖尿病や肺炎などを起こしやすくなるなど、他の病気のリスクを高める要因にもなります。
筋肉量は20歳を超えてから10年で2%程度減少していくと言われており、徐々に変化していくため気づかずに過ごしていることも少なくありません。
65歳以上の方で15%程度がサルコペニアに該当すると言われており、サルコペニアという言葉自体も2016年に出てきたばかりなので耳なじみのない言葉かもしれませんが、
「なんとなく、手足が細くなった」
「重たい荷物が持ち上げにくい」
「椅子から立ち上がりにくい」
などの気になる事がある場合、サルコペニア(筋肉減少症)が原因になっていることもあります。
サルコペニア(筋肉減少症)の症状
運動機能的症状
- 歩行スピードが遅くなる
- 立ち上がることが困難
- 最近疲れやすくなった
- 転倒しやすくなった
- 体のバランスをとることが難しい
日常生活で気になる症状
- 階段の上り下りがつらい
- 家にこもりがちになる
- 横断歩道が渡り切れない
身体的症状
- 体重が急に減少した
- 手足の冷えが気になる
サルコペニアによるけがや病気のリスク
- 転倒による骨折
- 熱中症や脱水症になりやすくなる
- 骨密度の低下・骨粗しょう症
- 糖尿病
サルコペニア(筋肉減少症)の原因
主に加齢が原因と言われますが、加齢に伴う内分泌ホルモンの機能障害や体に貯えられた栄養をエネルギーに変える機能の低下(ミトコンドリア機能不全)、栄養の吸収率の低下、運動ニューロンの減少などが原因とされています。
加齢による身体機能の変化が直接的に影響しますが、それ以外にも寝たきりや運動不足などの身体活動、臓器不全や炎症性疾患などの病気・疾患、食欲不振や消化管疾患による栄養不足などによってもサルコペニアの進行に影響します。
そのため年齢の若い人でもサルコペニアになる事があるため注意が必要です。過度なダイエットや偏りのある食事習慣、運動不足など日頃の生活から見直していくことが大切です。
サルコペニア(筋肉減少症)の予防・治療
サルコペニアの予防、治療は筋肉量を維持したり増やすための取り組みが中心で、適度な運動と適切な量の栄養摂取(タンパク質やビタミンDなど)ができるようにすすめていきます。
取り組みの例
- レジスタンス運動
- 有酸素運動
- 食事
いわゆる筋力トレーニングと言われる運動です。継続して筋力トレーニングをすると筋肉量が増えていきます。
トレーニングジムなどマシンを使って行う高強度の運動だけでなく、自宅やリハビリテーションでできる軽いレジスタンス運動を行うことでも筋肉量の維持や増加につながります。
ウォーキングやラジオ体操などの有酸素運動を継続して行うと、筋肉の基になるたんぱく質が作られて筋肉量の維持や増加につながります。
もともとの筋肉量や身体能力が異なるため、それぞれの状態や年齢に合わせて運動することが大切です。
筋肉量を増やすためには筋肉のもとになる栄養のタンパク質の摂取が重要です。多量にとりすぎると、腎臓に障害が出ることもあるため、適切な接種量、方法を医師や栄養士と相談しながらすることをおすすめします。
タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルなど身体活動に必要なエネルギーや骨を強くする栄養もバランスよく接種するようにしましょう。
サルコペニアの対策は継続が肝心
筋肉量はすぐに増えるわけでは無いため、運動でも食事でも長期的に継続していくことが大切です。
一人一人に合った形で“継続できる”ような習慣作りを計画的に進めていくため、楽しみながら続けられる工夫をしながら、適切な強度や時間の運動、適切な量の食事をできるようにしていきましょう。
当院では継続できるための計画はもちろん、楽しみながら継続するための工夫についてもアドバイスを行っていますので、お気軽にご相談ください。