慢性胃炎
胸やけ・胃もたれの原因としての慢性胃炎
胸やけや胃もたれは、比較的よくみられる消化器症状です。
これらの症状は逆流性食道炎が注目されやすい一方で、背景に慢性胃炎が関与しているケースも少なくありません。
慢性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が慢性的に続いている状態を指し、胃の働きや胃酸への耐性が変化することで、胸やけや胃もたれといった不快症状につながることがあります。
慢性胃炎とは
慢性胃炎は、胃粘膜の炎症が長期間持続している状態です。
症状が明確に出る方もいれば、自覚症状が乏しいまま経過することもあるため、症状だけで判断することは難しい場合があります。
慢性胃炎 主な原因
慢性胃炎の原因として、以下のようなものが挙げられます。
ヘリコバクターピロリ菌感染
慢性胃炎の最も代表的な原因です。
胃粘膜に長期間炎症を起こし、胃粘膜の萎縮や胃酸分泌の変化を引き起こすことがあります。
その結果として、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの原因となります。
また、鉄欠乏性貧血、血小板減少症などの引き金になっているともいわれています。
ストレスによる胃粘膜血流障害
強いストレスや自律神経の乱れにより、胃粘膜の血流が低下し、粘膜の防御機能が弱くなることで慢性的な炎症が生じることがあります。
薬剤性(NSAIDsなど)
鎮痛薬(NSAIDs)をはじめとする一部の薬剤は、胃粘膜の防御機構を低下させ、慢性胃炎の原因となることがあります。
比較的まれな原因
・A型胃炎(自己免疫性胃炎)
・好酸球性胃腸症
これらは頻度は高くありませんが、経過や検査所見によっては鑑別が必要となることがあります。
慢性胃炎でみられる症状
慢性胃炎では、次のような症状がみられることがあります。
・胸やけ
・胃もたれ
・みぞおちの違和感・不快感
・食後の膨満感
・吐き気
一方で、症状が軽い、あるいはほとんどない場合もある点が特徴です。
検査について(原因の確認)
胸やけや胃もたれが続く場合、原因を整理するために検査を行うことが重要です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
慢性胃炎の評価として、最もおすすめする検査です。
・胃粘膜の炎症の有無
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの確認
・ピロリ菌感染を疑う所見
などを直接確認することができます。
腹部エコー検査
胃そのものの評価は限定的ですが、肝臓・胆のう・膵臓など、胃もたれの原因となりうる他臓器の評価として行うことがあります。
ピロリ菌抗体検査(血液検査)
ピロリ菌感染の有無を調べる方法の一つです。
慢性胃炎の背景を考えるうえで、重要な情報となる検査です。
検査結果を踏まえた対応について
慢性胃炎が疑われる場合、まずは検査を行い、胃の状態や原因を確認することが大切です。
検査結果を踏まえて、
・必要に応じた内服治療
・食事内容や生活習慣の見直し
を組み合わせて対応していきます。
外来での説明について
慢性胃炎は、「胸やけや胃もたれの原因を整理する」ことが重要な状態です。
当院では、検査結果をもとに、症状や生活背景を踏まえながら、一人ひとりに合わせて丁寧にご説明することを心がけています。
胸やけや胃もたれが続く場合は、お気軽にご相談ください。

